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マイペンライがモットーです
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~1952年 日本映画 テレビ録画にて観賞~

野間宏の小説を原作に、山本薩夫が太平洋戦争当時の陸軍の陰湿さを描いた作品。1952年という、観客=戦争体験者と言える時代に、陸軍の陰湿な体質を赤裸々に描き出したこの作品は、非常に意味のある映画だったのだと思います。でも、2010年に観る私にとっては冗長で退屈でした。

きっとそれは、「陸軍は陰湿ないじめを行っていた」「問答無用に殴り倒される理不尽な世界だった」ってことは、もう常識としてアタマにあるからでしょう。むしろ、ここに描かれたものよりも、もっと陰湿で理不尽な陸軍を描いた小説や映画を、私はいくつも観てきています。

だから、少年兵がいびられようが、ビンタの応酬を食らってようが、まったく驚きはないのです。「ん、そんなもんなの?もっとエグいことしてたんじゃないの?」とさえ思って観ていました。

延々と、ジメっとしたシーンが続きます。私は完全に飽きてしまいました。

それに、図式がステレオタイプでもありました。古参兵=低学歴=横暴、少年兵=高学歴=紳士的。高学歴の少年兵が低学歴の古参兵にいびられる・・・といった図式。
現実に陸軍のなかではこんな図式がそのままあったのかもしれません。
でも、あまりこの図式ばかり強調されてしまうと、「低学歴のバカに高学歴の我々が理不尽にも押さえつけられていたから軍隊はダメだったんだ」というような、高学歴者側の傲慢さを感じてしまいます。

山本薩夫監督自身、陸軍経験者です。自身の受けた理不尽な仕打ちを、どうしても告発したかったんでしょう。
それがために、どうしても低学歴古参兵たちに対する憎憎しい思いが作品から放出されています。

古参兵たちを含めた日本帝国陸軍に対する醒めた視点があってもよかんたんじゃないかな、と現代に生きる私は思ってしまいます。が、やはりこの作品は1952年という戦後間も無い時期に製作されたことを頭に入れて見るべき作品なのでしょう。
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